お仕事の効率化が叫ばれる昨今、最も効率的な日本語入力を可能にする「キー配列規格”親指シフト”のユーザーを増やすこと」を目的にまとめた私的Memoです。

旧タイトル「日本語入力方法を親指シフトにしましょう!」(個人サイトから法人サイトへコンテンツを移行しました)。ここでの「Memo」とは、私的な仕事の備忘録という意味合いです。
noteには、親指シフトに最適なキーボードやPC選びについて書いています。(※写真は23年12月に導入した、マウスコンピューターのクリエイター向けPC「DAIV」シリーズのノートPCです)

「親指シフト入力」につかえるキーボードやPC|SyntaxCloud LLC

「親指シフト」と聞いて「なに?」と言われて当然なくらいに認知されていないと思いますが、パソコン仕事する上で日本語入力方法として、とても効率的で便利ですので、こ…

そもそも「親指シフト」とは

「親指シフト」とは、MacやWindowsなどのPCで日本語を入力するためのキー配列規格の一つです。多くの方はローマ字入力をお使いかと思いますが、親指シフトはローマ字を介さず、直接「日本語」で入力します。JISかな入力のようにキーボード上のひらがなを単独で打つだけでなく、親指を積極的に活用した独自のキー配列により、極めて効率的な入力が可能になります。

JIS入力よりも少ない使用キー数で日本語が打てるのが特徴です。最大の強みは「濁音・促音」の入力が容易なこと。親指を活用することで、人間の手の構造に合った、英字入力以上の効率性(使用するキー範囲の最小化)を実現できるのです。

例えば「現代(げんだい)」と入力する場合、ローマ字入力では「genndai」と7回(または8回)キーを叩きます。しかし親指シフトでは「げ・ん・だ・い」の4アクションのみ。この時、「げ」や「だ」の濁音は、「け」や「た」のキーと同時に右手親指(エミュレーター環境ではスペースキー右側の「変換」キーなど)を打鍵することで入力します。

また、英語版Wikipediaにも記載がある通り、将来的に日本語以外の言語への応用にも期待が持てる優れたシステムです。

ちなみに、私がこれまで直接お会いした中で親指シフトをお使いだったのは、わずか2名のみ。経済評論家の勝間和代さんと、元G DATA 日本代表のJag山本さんのおふたりだけでした。

wikipedia親指シフトより抜粋

親指シフトは、キー配列規格の一種であり、ほぼ同時期に確立したQWERTYローマ字入力や、それ以前から存在したJISかな入力などと同様に、「かな漢字変換」のためのかな入力手段(日本語入力)として使用される。1979年に富士通が考案した。

JIS配列が、かな1文字を1個のキーに割り当てるのに対し、親指シフト配列は、かな2文字を1個のキーに割り当て、かな2文字の区別を親指による他のキーとの同時打鍵の有無で行うのが特徴であり、このため親指シフトと称された。

wikiから引用キーボード配列
親指シフト規格:

操作方式(抜粋)

親指の活用

英文入力ではスペースの打鍵に多用するのに対し、和文入力では使用する機会が少ない親指を、シフト機能用として使う。無理なく積極的に活用するものと主張されている。

同時打鍵
wikiから引用文字キー

親指シフトキーは、通常のシフトキーの働きと異なり、前後関係なく一定の時間内に打鍵されれば同時と扱われ、シフト入力となる。打鍵する順番を気にせずに規則的なテンポで打鍵できると主張されている。
ホームポジションに手を置くと、親指左/親指右キーは、左右の親指の真下に位置するため、これらのキーはホームポジションを崩さずに打鍵できる。英字モードでの配列と入力方式は、一般のQWERTY配列のキーボードと変わらず、親指左/親指右キーはスペースキーとして機能する。一方、かなモードでは、これらのキーを下表のように操作して、キートップに印刷してある複数の文字を打ち分けながら、漢字かな交じり文の文章を入力する。

上記「操作方式(抜粋)」の画像にある文字キートップ(Yキー)に振られたA〜Dの解説です。前提として、親指シフトキーボード、または通常の日本語キーボードを使用し(※日本語キーボードの場合、A・B・Dの「ら」「よ」「ぱ」の印字はなく、英語の「Y」と日本語の「ん」のみ印字されています)、日本語入力モードで親指シフトエミュレーター(変換ソフト)が導入済みである状態とします。したがって、以下で説明する「変換キー」はスペースキーの右側、「無変換キー」はスペースキーの左側のキーを指します。

Yキーを単独で打鍵(A)→「ら」、Yキーと同時に変換キーを打鍵(B)→「よ」、Yキーと同時に無変換キーを打鍵(D)→「ぱ」となります。(※私の環境ではHキーとシフトキーの同時押しでも「ぱ」になります。この配列構成はなんと呼ぶのでしょうか?)

なお、英字入力モードの状態でYキーを打鍵すると(C)→「y」となります。

『どうして親指をシフトするのか?』ちょっと解説してみる話|ミタヒツヒト

 実を言うと、以前からnoteで親指シフトについて書きたいと思っていた。  けれど「どうせ先行者(ロボットではない方)がたくさんいらっしゃるだろうし後でいいや」とば…

noteに「親指シフト」について非常にわかりやすく解説された記事がありましたので共有します。特に「親指シフトはすべてを解決しない」という言葉が胸に刺さりました!
実は前職で、会社のPC管理が厳格化された際、インストールするソフトを事前に申請して説明した記憶があります。担当者から「どんなソフト?」「どんなメリットがあるの?」と聞かれ、実際に私のデスクで入力して見せたところ、「おお!」と驚かれ即OKが出ました。
ただ、これはIT系の若い会社だったからこそ。もしPCに不慣れな方が管理者だった場合は「迷惑な話だ」と一蹴されていたかもしれません。話が逸れましたが、ご紹介したnote記事はまさに「痒いところに手が届く」わかりやすさです。親指シフトの導入でお悩みの方は、ぜひご一読ください!(2025年6月4日追記)

お仕事の効率化に
間違いなく効果的です!

なぜ私がここまで親指シフトを推すのか? それは、日本語入力における効率化に間違いなく直結するからです。最近は静音キーボードが主流なので気になりにくいですが、以前はオフィス中に響き渡るような激しいタイピング音をよく耳にしませんでしたか? 親指シフトなら、この打鍵ノイズが約半分になります。単純にキーを叩く回数が減るため、キーボードの消耗も約半分、入力にかかる時間も約半分になるのです。

極端に言えば、「考えながらタイプする」「人が話している言葉をそのままリアルタイムでテキスト化する」ことが可能です。思考を妨げず、頭に浮かんだ言語をそのまま文字に変換できる、そんな感覚です。

例えば「私は」と入力する際、ローマ字入力では「watashiha」と8〜9回打鍵して変換キーを押す必要があります。しかし親指シフトなら、「わ・た・し・は」の4アクションのみ。あとは変換キーを叩くだけで完了します。「僕は」の場合も、ローマ字(bokuha)の6アクションに対し、親指シフトなら「ぼ・く・は」の3アクションで済みます。

タッチタイピングの打鍵数は、多いより少ないほうが、高速入力に有利だと考えられる。日本語の文章(天声人語4日分:3735文字)を入力したときの打鍵数を、他の入力方式と比較した資料によると[13]、以下の通りである。

wikipedia親指シフトより抜粋

唯一のデメリットを挙げるとすれば、オフィスでローマ字入力でキーボードを激しく叩いている人たちから見ると、親指シフトは打鍵数が極端に少ないため「サボっている」あるいは「仕事をしているフリをして内職している?」と誤解されかねない点です。

実はこれ、私自身の実体験です。会議中にある方から「先ほどから何をキーボードで打っているのですか?」と怪しまれたことがありました。個人的なチャットでもしていると思われたのでしょう。そこでサッと画面を見せ、会議の議事録をリアルタイムでメモしていることを確認してもらいました。Googleドキュメントを利用していたため、部内の他のメンバーがリアルタイムでコメントを追加している様子も共有でき、疑いはすぐに晴れました。このように、会議の内容をほぼリアルタイムで文字化・共有できるほどスピーディーな入力が可能なのです。

これだけでも十分な有効性をご理解いただけると思うのですが、現実には親指シフトユーザーにめぐり会う機会は滅多にありません。なぜでしょうか? おそらく、「親指シフトを使うには、以下のような専用の特殊なキーボードが必要だ」という思い込みがハードルになっているのだと推測します。

富士通:親指シフトキーボードをお使いになる方へより抜粋

どんなキーボードと
アプリケーションで
実現できるのか?

結論から言うと、上記のような専用キーボードが必須というわけではありません。親指シフト専用キーボードは高額ですし、現在は入手自体が困難な場合もあります。WindowsでもMacでも、「エミュレーター」と呼ばれるアプリケーションを導入するだけで、普通のキーボードで親指シフトを実現できます。「専用キーボードが手に入らないから」という理由で親指シフトを躊躇している潜在ユーザー(将来の親指シフター)は多いのではないかと推察しています。

キーボード選びには少しだけチェックポイント(※)がありますが、特別な高価なものを買う必要はありません。一般的なキーボードとエミュレーターの組み合わせで十分実用になります。また、ブラインドタッチができるようになるまでは、キーボードのキートップに「よ/ら(上によ、下にら)」のようなシールを貼っておくと、トレーニングがしやすくなります。

参考までに私が現在使っているキーボードは、MX KEYS mini KX700PG(ロジクール製)です(2023年6月に変更)。以前はK380を使っていました。スペースキー右隣の「変換」キーの位置が少し右に寄っているため、慣れるのに少し時間がかかりました。また、Bluetooth接続で使用した際にわずかな入力遅延が気になったため、現在はLogi Bolt USBレシーバーを介してPCと接続しています。これで入力の遅延問題も解消し、快適に使えています。
親指シフト入力のトレーニングに便利なキートップシールを見つけました!(2025年2月26日)。デジタルメモ「ポメラ」を購入した際にも同様のシールが同梱されていましたが、キングジムさんがシール単体でバラ売りしてくれないかなと密かに期待しています。実際、私もPCで親指シフトを始めた頃は、自分でシールを自作して貼っていました!

(LL) 親指シフト用キー上面シール ライト版2枚セット 新発売!! : いいライフショップ - 通販 - Yahoo!ショッピング

キーボードのキー上面に貼るためのシール ライト版2枚セットです。親指シフト用です。<br>主な特徴は以下の通りです。<br>●プラスチックでできていて耐久性…

logiから引用:私が使っているキーボード
こちらは以前使っていたK380

※)親指による同時打鍵が鍵となるため、親指が触れる「変換」「無変換」キーの物理的な位置が非常に重要になります。個人的には、「変換キー」はMキーの下あたり、「無変換キー」はCキーの下あたりにあると使いやすいと感じています。そのため私はロジクールのKX700PGを使用しています。以前は、すでに絶版になった同じくロジクールのK230を使っていました。ノートPCでは、MacBook ProやHPのProBookなどを使っています(※ProBookなど一部のWindowsノートPCは、キー配列によって親指シフトに向かない場合があるため、購入前の写真確認をおすすめします)。

エミュレーター(変換アプリケーション)についてですが、Mac環境ではKarabiner-Elementsを、Windows環境では紅皿を使用しています。どちらの環境でもATOKと組み合わせて快適に動作しています。勝間和代さんのブログを拝見するとやまぶきRを推奨されているようです。私も以前はやまぶきRを使っていましたが、2015年でアップデートが停止しているため、現在は紅皿に移行しました。紅皿は2024年1月時点で最終アップデートが2023年7月17日となっており、現行OSでの動作も安心感があります(※)。

※)以前、Windows11でやまぶきRを使用していた際、2022年10月のWindowsアップデート(22H2)以降、セキュリティソフト「ESET」のセキュアブラウザ環境下で日本語入力に不具合が発生し、苦戦したことがありました。SNS上で同じ症状に悩む親指シフトユーザーたちの間で情報交換が活発化しました。結果的に私が「紅皿」へ移行したことで解決したのか、ESET側で修正対応が入ったのかは定かではありませんが、私の環境では数日で不具合は解消しました。他の方々も、ESETの設定を調整することで無事に解消できたようです。

さらに昔を振り返ると、2010年頃までは「親指ひゅんQ」を愛用していました。しかし親指ひゅんQは64ビットアプリケーションに対応しておらず、当時はブラウザ(Chrome)やテキストエディタ(秀丸)も意図的に32ビット版を使わざるを得ませんでした。やがてChromeの64ビット版が必須になる事態が発生し、サポートも途絶えていた親指ひゅんQから、富士通の「Japanist」へ乗り換えました。ただ、Japanistはそれ自体がかな漢字変換ソフト(IME)を兼ねているため、私が愛用していたATOKが使えなくなってしまいました。

ATOKの高度な変換精度に慣れきっていた身としては、この制限が大きなストレスとなり、その後「DvorakJ」(※個人的には少し使いづらくおすすめしません)→「やまぶきR」→現在の「紅皿」へと変遷を辿りました。一方、Macは一貫してKarabiner-Elementsを使用しています。以前、開発者の方とメールでやり取りさせていただいたことがあり、その節は大変助かりました。Macでの日本語入力は現在も全く問題ありません。

iPadなどのiOS環境では、N+Note for NICOLAというエディタアプリを使用していました(※アップデートが停止したため、2025年現在は使用していません)。以前はiPad miniを持ち歩いて便利に活用していましたが、OSの進化に対応しなくなったのは残念です。

どうやって「親指シフト」
入力スキルを取得するのか?

私自身がどのように親指シフトを習得したかというと、当時はワープロ専用機「OASYS」の廉価版(それまで200万円ほどしたものが、30〜40万円台で買えるようになった時代です)が登場し、家庭にキーボード入力が普及し始めた頃でした。毎日一定時間、新聞や雑誌の記事をひたすら入力する練習をしました。「継続は力なり」というシンプルな方法です。さらに、仕事の見積書や請求書をすべてワープロで作成するという自分ルールを課しました。「打てなければ請求書が作れない=仕事にならない」という状況を作り、自らを追い込んだのです。

親指シフトを実際に体験できる場所や、効率的にトレーニングできるツール(最近はいくつかあるようです)が増えてほしいと切に願っています。企業内でも、有志による勉強会や練習会が開催されれば素晴らしいと思います。文字入力にかかる時間が約半分になれば、ダイレクトに業務効率の向上に繋がります。「キーボードが長持ちしますよ」というアピールは現代では響かないかもしれませんが、「思考のスピードでタイピングでき、仕事の生産性が劇的に上がる」ことは間違いなく確信しています。

参考リンク:親指シフトエバンジェリスト(伝道師)大東信仁さん
以下の大東さんのコンテンツは、親指シフトのトレーニングに最適です。

「気持ちよく日本語が書ける」伝説の入力方式 親指シフトを激しくオススメされてきたより抜粋

気持ち良く日本語がかける
気持ち良く日本語がかける伝説の入力方式「親指シフト」

(抜粋)大東さん:親指シフトは日本語にあわせて指をほとんど動かさなくていいように設計されているので、調子がいいときは1日1万字打っても疲れません。親指シフトユーザーには、経済評論家の勝間和代さん、脚本家の北川悦吏子さん、作家の姫野カオルコさんなど、アウトプットをたくさんされる方も多いんです。

(抜粋)大東さん:ローマ字入力だと、ひらがな1文字を入力するのに、あ行を除いて2回以上キーを押さないといけないじゃないですか。一方の親指シフトは、ひとつの音をひとつの動作で打てます。慣れると、頭に浮かんだ文字がそのまま指先から出ていく感触がある。気持ちよく日本語が打てるんですよ。

読売新聞:どっこい生きてる「親指シフト」~練習道場が人気、、より抜粋

親指シフトに専用キーボードは必要なし
親指シフトに専用キーボードは必要なし

絶滅危惧種と思われがちな親指シフトだが、実は根強いファンがいる。作家など文章のプロに多く、経済評論家の勝間和代さん、直木賞作家の姫野カオルコさん、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」の脚本家、北川悦吏子さん、「金田一少年の事件簿」などの漫画原作者、樹林伸(きばやししん)さんらが親指シフターだ。最近では、これまでその存在を知らなかった人が、挑戦し始める新たな動きも出ている。習得を目指す「親指シフト道場」が人気だと聞き、お邪魔した。(中略)

パソコンで親指シフトを使う場合、実は「親指シフトキーボード」は必ずしも必要ではない(そもそも手に入りにくい)。ウィンドウズでもマックでも、キー配列変更ソフトをインストールし、簡単な設定をすれば、専用キーボードと遜色なく打てる。(中略)

大東さん自身、2012年まではローマ字派で、そこから一念発起して親指派に転向したが、半年かかった。「独学で回り道をしてしまった。その反省点も踏まえ、効果的な練習法を伝えています」という。(中略)

中島崇さんが開発したキーボード配列変換アダプター「かえうち」だ。(中略)

クラウドファンディングの「きびだんご」で支援を募ったところ、わずか65分で目標額の20万円に到達し、最終的に150万円以上を集めた。昨夏から販売開始し、「売れても100個くらいかな」と思っていたが、反響に驚いた。勝間和代さんらがSNSで紹介したこともあり、一時は生産が追いつかない状態に。これまでに600個以上が売れ、「思った以上にキーボードでやりたいことがある人は多い」と感じたという。(中略)

新聞社の業務が一気に電子化され始めた時期で、当時まだ手書きだった原稿を、オペレーターが日本語で入力してデータ化していた。猛烈なスピードでキーをたたくオペレーターの姿は実に格好よく、そこで活躍していたのが親指シフトだった。

この記事では、専用キーボード不要で親指シフトを可能にするアダプター「かえうち」も取り上げられており、既存の環境を活かして親指シフトを推進したい私の考えとも非常にマッチしています。この記事を書かれた読売新聞の記者さん自身も親指シフターのようですので、ぜひ今後も親指シフトの魅力について継続的に発信していただきたいものです。

映画の中でも
「親指シフト」キーボードが
登場しています。

1989年公開の映画「釣りバカ日誌2」の劇中、鈴木建設の社長室に置かれているワープロは、よく見ると富士通のOASYSのようです!

鈴木建設社長室に置かれたOASYS(画面右下)

また、映画「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼」の1シーンでも、親指シフトキーボードがしっかりと描かれています。原作者の青山剛昌先生も、おそらく親指シフトユーザーなのではないでしょうか。映画版だけでなく、「名探偵コナンのショートストーリー05」の作中にも、親指シフトが登場するシーンがあります。

映画「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼」の1シーン
映画「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼」の1シーン
「名探偵コナンのショートストーリー05」の中にでてくるワードプロセッサOASYS

親指シフト関連のコラムや記事

ITmedia:モノクロ画面でWeb検索もできない「ポメラDM250」はデジタル系ライターでも使えるか ポメラ初心者が試してみたより抜粋

パッケージには説明書、US配列または親指シフト配列レイアウト用キートップステッカー、ACアダプター、USBケーブル(USB Type-A→USB Type-C)が含まれる
パッケージには説明書、US配列または親指シフト配列レイアウト用キートップステッカー、ACアダプター、USBケーブル(USB Type-A→USB Type-C)が含まれる

筆者が特に「使ってみたい」と思ったのは、Bluetoothキーボード機能だ。スマホの外付けキーボードとして使えれば、ポメラとスマホだけで仕事が完結するのではなかろうか。なぜスマホに外付けキーボードを使いたいかというと、Google Driveアップ後の細かな調整などを行うため、作業中にたまに訪れる“急を要する”チャットやメールの対応時間を減らしたいからである。

ダイヤモンドオンライン:わけあって絶滅、「親指シフト・キーボード」へのレクイエムより抜粋

リード抜粋)作家、ライター、速記者といったライティングのプロに愛用されていたのが「親指シフト」の入力システムとキーボードである。21世紀の現在も、おそらく親指シフトから離れられないプロが数百人くらいいるだろう。しかし、超少数派であることは事実で、いつか絶滅すると思われていたが、

親指シフトは日本語の「音」の頻度をよく研究したシステムで、非常に合理的なキーボードだった。現在はカナをキーボードの4段に配したJIS配列のキーボードが主流だが、入力はカナではなく、大半の人はローマ字で入力しているはずだ。JIS配列のカナ入力は4段のキーボードを指が行き来するので時間がかかり、キーを覚えにくいからである。(中略)

発明のきっかけは「親指の発見だった」という。親指はほかの4本の指とは別の動きができることに気が付いた神田氏(※)は、親指以外の8本の指に3段30個のキーを分担させ、1個のキーに2つのカナを割り当てるが、上下の区別は親指が担当する。キーボードのいちばん手前に左右の親指用シフトキーが並び、左右半分ずつのキーを受け持つ。(中略)

濁音と半濁音、そして小さい文字も親指シフトキーや左右両端のシフトキーで入力できる。濁音は左右逆の親指シフトキーを同時打鍵する。つまり、「親指使用せず」「右親指シフト」「左親指シフト」の3通りで30個のキーを操作するので、全部で90種の入力が打鍵1回ずつで可能になったのである。(中略)

※)富士通の神田泰典氏(1938~2018年)が発明したシステム(親指シフト)で、初号機のワープロ「OASYS100」に導入して発売したのが1980年のことである。

Wikipedia:神田泰典

Forbes:ポスト・ネット時代、Z世代にプライバシーはない?(2020_0206)より抜粋

新製品が続々と出されれば古くなったモノは市場から消え去る運命で、社会制度や組織、価値観までもが時代に合わないと変更・破棄されることは、歴史のダイナミズムそのものだろう。どんなに人々に愛されていても、消えるものは消えてしまうという悲しい運命がそこには待っている。

しかしそういう話も個人にとっては別の意味を持つ。人生で初めて出合った素敵なモノや人のことを、他人の評価がどうであれ、時代遅れだろうがなんだろうがずっと忘れられずひいきする、「初恋症候群」(First Love Syndrome)という言葉もあるぐらいだ。

1980年代にワープロ専用機で原稿を書いていた頃には、パソコンのワープロソフトに馴染めなかった。使っていた富士通のモデルは普通のキーボードとは違う、「親指シフト」と呼ばれる特殊な文字配列だったが、慣れると使いやすくて、そのキーボードで打たないとまともな文章が書けないような気さえしていた。

服部桂さんのコラムにある「初恋症候群(First Love Syndrome)」。私にとって、初めて本格的に触れた入力スタイルがまさにこの「親指シフト」でした。現在に至るまで、これを超える入力方法に出会えていないのは、初恋の相手以上の人に巡り会えなかったようなもの。これが幸せなのか不幸なのかは分かりません。

しかし、服部さんの書かれる文章は、なぜこんなにも読みやすいのでしょうか。言葉の選び方やリズムがダントツで優れていて、スッと頭に入ってきます。(若輩者が偉そうに申し訳ありませんが、親指シフトが思考を淀みなくテキスト化できることも、この名文を生み出す一助になっているのではないかと想像してしまいます)

GIZMODO親指シフターにもオススメ! 2020年に蘇るErase-Eazeキーボード「KEMOVE」2020.01.01より抜粋

「Erase-Eaze」という配列のキーボードをご存知でしょうか? 基本的には一般的なUS配列のキーボードなんですが、Spaceキーが2分割されている配列のキーボードです。
(中略)
親指シフトとの相性バツグン!
また、キーマップをカスタマイズできるソフトと組み合わせて、親指シフトキーボードとして使うという人もいました。
(中略)
親指シフトは徐々にユーザー数が減っていき、今はあまり見かけなくなりました。親指シフトキーボードも販売されてはいますが、選択肢は少なく高価(現在発売されている純正キーボードはFMV-KB613とFMV-KB232のみ)。路頭に迷った親指シフターたちは、既存のキーボードをカスタマイズして親指シフトの灯を絶やさないようにしてきました。

海外のWikipediaで多言語についての可能性

ENwiki:Thumb-shift keyboardより抜粋

Thumb-shift keyboard

The thumb-shift keyboard (親指シフト oyayubi shifuto) is a keyboard design for inputting Japanese sentences on word processors and computers. It was invented by Fujitsu in the late 1970s and released in 1980 as a feature of the line of Japanese word processors the company sold, named OASYS, to make Japanese input easier, faster and more natural.[1][2] It is popular among people who input large quantities of Japanese sentences, such as writers, playwrights, lawyers and so on, because of its ease of use and speed. The rights regarding the use of this design were transferred to Nihongo Nyuuryoku Consortium (Japanese Input Consortium), a technology sharing cooperative of interested companies, in 1989. It is referred to as an example of keyboard layout in Japanese Industrial Standards.[3]

【ざっくり和訳】親指シフト(Oyayubi shifuto)は、ワープロやコンピュータで日本語の文章を入力するためのキーボード配列デザインです。1970年代後半に富士通によって発明され、日本語入力をより簡単に、速く、自然にするために同社が販売した日本語ワープロ「OASYS」の機能として1980年にリリースされました[1][2]。その使いやすさと入力スピードの速さから、作家、劇作家、弁護士など、大量の日本語文章を入力する人々の間で人気があります。この配列デザインの使用に関する権利は、1989年に、関心を持つ企業による技術共有協同組合である「日本語入力コンソーシアム」に譲渡されました。日本工業規格(JIS)のキーボード配列の一例としても参照されています。【和訳ここまで】

上記の英語版Wikipediaにも「Possible application to other languages(他言語への応用可能性)」について言及されていますが、日本語版Wikipediaにはさらにディープな考察が記載されていました(以下に引用します)。

wiki:親指シフトより抜粋

日本語以外への応用

世界で使用されている言語の表記方法はさまざまで、例えば文字の数も英語と同じ程度から漢字のように数千〜数万に及ぶようなものまで多様である。このため、もともと英語の入力のために作られているQWERTYキーボードを英語以外の言語の入力に使おうとすると何らかの工夫が必要となる。例えば、(1) 日本語におけるローマ字入力のように発音のアルファベット表記に沿った形で入力する方法や、(2) 日本語におけるかな入力のように文字あるいは文字の構成要素を適宜キーの上に配置する方法等がある。

いずれの場合もある意味で「間に合わせ」のやり方にならざるを得ないところがあり、特に (1) については、アルファベットの出現の頻度や続き具合がさまざまで、QWERTY配列が適切なものになることは保証されない。また、(2) については、文字の数がアルファベットに比べて多いためにタッチタイプがし易いホームポジションとその上下を含む計30のキーに納まりきらない場合が多いこと等の問題が起きることがある。

親指シフトはこうした問題の解決に役立つ可能性がある。すなわち、(1) タッチタイプがし易い30キーに小指シフトによる活用を加えても60文字なのが90文字にまで拡大する、(2) 親指によるシフトに例えば声調など、言語固有の特徴を付与することにより習得が容易になる、等の利点が考えられる。

余談ですがChatGPTに聞いてみた!

以下は、2023年3月時点のChatGPTに対して
「親指シフトユーザーを拡大するにはどうしたらよいと思うか?」
と質問した際の回答です。

親指シフトは、キーボードの配列の一種で、親指を中心にしたキー配置を採用しています。これにより、打鍵時に親指を多く使うことで、指の動きを減らし、タイピングの効率を高めることができます。

親指シフトには、日本語の配列である「ニコニコ配列」と英語の配列である「MTGAP配列」があります。それぞれ独自の特徴を持っていますが、どちらも親指シフトの利点を活かした配列となっています。

親指シフトは、初めは慣れるまで時間がかかりますが、慣れると既存の配列よりも高速に入力することができます。特に、長時間のタイピングを行う場合には、指の疲れを軽減できるため、親指シフトは効果的です。

親指シフトを普及させるためには、以下のような方法が考えられます。

普及のための情報発信を行う:親指シフトのメリットや使い方、学習方法などを広く知ってもらうために、WebサイトやSNS、書籍、動画などの情報発信を行います。

イベントの開催:親指シフトの普及のために、親指シフトを体験できるイベントを開催することで、興味を持った人たちに実際に親指シフトを体験してもらうことができます。

学校教育への導入:親指シフトは、タイピングの効率を高めるだけでなく、指の疲れを軽減することができます。学校教育に導入することで、子どもたちに親指シフトの恩恵を広く伝えることができます。

親指シフトに対する認知度の向上:一般の人々に親指シフトの存在やメリットを広く知ってもらうために、マスメディアや広告媒体を活用することができます。

親指シフトを使っている人たちの情報共有:既に親指シフトを使っている人たちが情報を共有することで、親指シフトを使うことのメリットや工夫などが広く伝えられることが期待できます。

以上のような方法を組み合わせて、親指シフトの普及を進めることができます。ただし、既存のキーボード配列に比べて学習コストが高いため、普及には時間がかかるかもしれません。

上記は2023年3月8日時点の生成データです。
今後、AIの進化とともにさらに具体的な普及アイデアが提案されるかもしれません。

日本工業規格(JIS)化要望書について思うこと

参考リンク:NICOLA配列キーボード「日本工業規格(JIS)化要望書」

「日本語入力コンソーシアム」が、平成8年(1996年)10月に「NICOLA配列キーボード 日本工業規格(JIS※)化要望書」を提出していたようです。このコンソーシアムは、コンピュータにおける日本語入力を見直し、使いやすくて能率の良い次世代の日本語入力システムの普及・開発を目的とした団体のようです。

    ※要望書より一部引用
  1. (現状)かな入力ではなく英字配列でローマ字入力を行うという、不自然な方式をとっているのが実状
  2. (課題)日本文を日本語で入力する手だてとして、本来の使命を失った

この要望書を読んで気になったのは、「本来の使命」とは具体的に何を指しているのかが明記されていない点です。例えば、本来の使命を「誰もが効率的に日本語を入力できること」と定義すれば、格段に分かりやすくなります。「効率性」こそが親指シフト最大の訴求点であることを明確にし、「ローマ字入力と親指シフト、どちらがより効率的なのか?」という検証の土俵に持ち込むべきだったのではないかと考えます。

偉大な先輩方が作成された要望書に対し、一介のユーザーが意見するのはおこがましいかもしれませんが、要望書の内容が「教育現場の問題」「身体的負担」「日本人の思考とのズレ」など、やや大上段に構えすぎている印象を受けました。特に教育現場の問題に帰結させるのは順序が違うような気もしますし、「日本人の思考」という言葉の具体的な定義に触れられていない点も残念です。

さらに、要望書内に「NICOLA配列は多くのユーザーの高い評価と支持を得ている」とありますが、実際のところ「多くのユーザーに評価・支持され普及するに至らなかった」からこそ、危機感を持ってこの要望書を提出したのでは? と感じてしまうのは私だけでしょうか。

※JISは「日本工業規格」から2019年7月1日に「日本産業規格」へと名称変更されました。
※NICOLA(ニコラ)配列とは、親指シフト入力のキーボード規格名称のことです。

本気で親指シフトの文化を存続させるためには、過去の枠組みや硬直化したアプローチではなく、現代に合った柔軟な発想が必要です。親指シフトが「最も効率的な日本語入力の仕組み」であることは間違いありません(実際、世の中にJISかな入力ユーザーはどれだけ残っているでしょうか)。だからこそ、草の根活動で地道にユーザーを増やしていくことが最重要課題だと考えています。私自身、ユーザー拡大のためにできることに積極的に取り組んでいくつもりです。

「親指シフトのユーザーを本気で増やしたい」「柔軟なアイデアで一緒に活動したい」という方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡を取り合い、ユーザー拡大に向けたチームを作りませんか? コメントやメッセージを心よりお待ちしております。(例えば、IT導入や業務効率化の補助金を活用して、親指シフトの導入支援プロジェクトを立ち上げる、といったアイデアも面白いかもしれませんね!)

“「親指シフト」のすゝめ” に対して5件のコメントがあります。

  1. 私も親指シフト派です。富士通のワープロは数十年前にちょっといたずらしただけでしたが、二十数年前にネットで「飛鳥配列」のページに出会って、それ以来数回配列を変えましたが、それ以来ずっと親指シフト一辺倒です。ソフトも、最初「姫踊子草」→「やまぶき」→「やまぶきR」→「姫踊子草」→「紅皿」と渡り歩いてきました(もちろん配列は飛鳥配列です)。最近、Winを離れて、LinuxMintへ移行しようとしています。Linuxでは、「Oyainput」というソフトがありまして、これで飛鳥配列にして利用しています。
    Winは10までで、11にはしない予定です。早稲田の憲法学者の水島先生も親指シフト派で、キーボードの入手に苦労している由、私もスペースキーの短いキーボードが少なく、エレコムのTK-FC004を使っています。予備にもう一台購入してあります。

    1. 門間さま、コメント投稿ありがとうございます。投稿1号です!

  2. These are truly wonderful ideas in concerning blogging. You have touched some good factors here. Any way keep up wrinting.

    1. Thank you for your valuable comment. I will continue to add articles.

  3. 私はOASYSワープロの時代からの親指シフトのユーザではありませんが、1996年ごろからの親指シフトユーザです。私の仕事および日常のPCを使った環境において、親指シフトは必須の道具になっています。

    私が現在使っている3台のノートPCのキーボードはUSキーボードになっています。またWindows 11は英語版がインストールされていてますが、日本語の言語パックも追加して、キーボード配列エミュレーターDvorakJを使って親指シフトを利用しています。

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